浜松市史 ニ
第七章 文化の興隆
第六節 生活と習俗
町や村の芸人
門付芸
620 ~ 620 / 686ページ
門付芸
門付芸
は、もともと季節を定めて、門ごとに神が訪れて祝福をされるという民俗信仰から、それらの神々に装ってくる言寿(ことほ)ぎの芸能であった。ここで直接民衆の家々を訪れるこの
門付芸
をみれば、まず初春を迎えると共に、松の内から笑いを運んでくる三河万歳にはじまり、福俵・祭文語り・猿廻し・越後獅子・神楽・
虚無僧
(こむそう)・人形廻し・浮かれ節などの民間芸能が、
年中行事
のように、春・夏・秋・冬の四季を通じて、農山村または町家などの民衆に、多くの娯楽をつぎつぎに散華(さんげ)していったのである。