浜松市史 ニ
第七章 文化の興隆
第五節 庶民の教養・娯楽
二 建築・絵画・書道
書道
小沢仁庵
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仁庵
は連尺の人、名を徳・友輔という。字は文翼、通称玄沢、はじめ
仁庵
と号したが、のち訒庵と改めた
医師
である。幼年から書を好み、平素古法帖を模して晋唐の筆法を学んだ。その作品は変化が多く、楷・行・草をはじめ篆書をよくした。「草書は奇抜ではなはだ妙を得、多くの逸品が残されている。後世著名の書家でその書をみて善しといわない者はなかった」(大正十五年発行『
浜松市史
』)という。この
仁庵
についてはつぎの逸話がある。