浜松市史 ニ
第六章 藩政の動揺と民衆の動向
第二節 浜松藩の財政窮乏と農村の疲弊
変わりゆく農村
農民層の分解
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前章にも触れたように貨幣経済が浸透して「金がものをいう時代」になってくると、農村の生活そのものにも大きな変化が生じてきた。
ようやく貧富の格差もいちじるしくなって、一方には穀類とか
木綿
などの売買や高利貸とか質屋とか
酒屋
などを営んで資本の蓄積をはかる在郷商人もあらわれるとともに、他方にはますます土地集積を進める大地主も増加してきた。