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 寛政期(『遠江国風土記伝』による)における浜松周辺の新田をあげると、十軒新田名残追分新田安間新田薬師新田天王新田寺嶋新田木舟新田三郎五郎新田中新田・長十郎新田・権右衛門新田萱野新田がある。しかしこのほかにも多くの新田がみられる。【川沿新田】この新田分布を地形の上から分けると、第一に天竜川に沿う新田として中新田萱野新田北長十郎新田西大塚新田三郎五郎新田薬師新田安間新田天王新田笠井新田などがある。その他の川沿新田として馬込川流域には上嶋新田十軒新田細嶋新田前新田西新田などがあり、芳川に沿って大柳新田がみられる。【海沿新田】第二に遠州灘沿岸の海沿新田としては坪井新田・西新田倉松新田小沢渡新田などがある。【台地新田 湖沿新田】第三に三方原上の台地新田として名残追分新田があり第四に浜名湖岸に佐浜新田などがある。これらの新田は近世の中ごろまでに開発されたものが多いと思われるが、若干の新田をとりあげ近世後期における変遷特色などについて述べよう。