浜松市史 ニ
第五章 交通・産業経済の発展と町や村の生活
第三節 町や村の生活
町屋の発達
町の景観
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御役六町
を中心とする繁華街にはさすが瓦葺家や倉庫も見られたが宿の周辺部には藁葺・板葺の家々がならび、町幅はせまく屈曲も多く雑然としていた。「遠州浜松広いようで狭い、横に車が二挺立たぬ」とは、そうした町屋の姿をうたったものだという。
東海道筋でも町裏はすぐに畑があり青田・蓮池がつづくという具合であった。田町・
池町
・
下垂町
(しもだれちょう)や
平田町
(なめだちょう)の名は、このような低地に発達した町の沿革を想像させるに十分である。
大田南畝
(おおたなんぼ)が
旅籠町
の
本陣
で蛙の鳴き声をきいた話はすでに述べておいた。
宿の中心部
伝馬町
付近
浜松御城下細見絵図
部分(浜松市鴨江
渥美静一
氏蔵)
宿の周辺部
新町
付近
浜松御城下細見絵図
部分(浜松市鴨江
渥美静一
氏蔵)