浜松宿では急な通行で助郷村へ触れ出す余裕のない場合には、宿の脇町などの無役町から助人足を差し出す仕組になっていた。したがってこれは性格からいえばまったく助郷と同一であるが、助郷が恒常的で以前から多い通行が予想されている場合に出動するに対して、これは臨時的で急な通行の場合に不足を補うために出動するのである。そのために宿の問屋場に近接した町が指定されている。右表はその割当てを示したものである。この表をみると御役六町を除いた十八か町の無役町のうち十二か町となっている。
その後、文政九年(一八二六)に、無役町のうち下新町・成子坂町・神明町・板屋町にさらに七軒町・新町を加えて、あわせて六か町を御役助町にしようとしたことがあった。
(表)無役町の人足割