浜松市史 ニ
第三章 浜松城下町の形成
第一節 浜松城
城郭
天守閣
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天守台には天守閣が置かれたはずだがこれに関する資料はない。しかし、天守閣は大手筋をはじめ城郭の南東にひろがる浜松市街から、
天守曲輪
上にやや奥まって仰がれたわけで、ここからは東に
小笠山
(おがさやま)の丘陵(
高天神城
がある)をはじめ富士の霊峯が、南に
遠州灘
のかすむ煙波を、北にははるばるとひろがる
三方原
の原野を指呼の間にのぞむことができたのである。
天守台には穴倉があって、内部に周囲を石でたたんだ井戸があった(昭和三十二年再建のとき宋銭の出土があった)。現在もその跡が残っている。