【家臣】徳川氏から土地を与えられている家臣(給人(きゅうにん))は土地(知行)の年貢の高に応じた軍役を負担する義務がある。軍役には、自分の知行をわけ与えている武士をつれていくばあいと、知行地の農民を徴発する(陣夫(じんぷ)という)ばあいと二とおりあった。【農民】陣夫は農民の夫役(ぶやく)であって、農村を支配している有力な名主が年貢とともにうけおうもので、戦争が長期にわたり規模が大きいばあいには、不具者・後家・職人をのぞく十五歳から六十歳までの男子はすべて動員された。天正五年(一五七七)武田勝頼は軍役を改定し、十五歳から六十歳までの男子をことごとく二十日のあいだ出陣させている。【職人】大工・鍛冶・石切などの職人は陣夫役を免除されるが、そのかわりにその特殊技能を徴用された。