浜松市史 ニ
第二章 近世初頭の浜松と徳川家康
第四節 遠江経略
家康の遠江進駐
信玄の計画
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このときに信玄の将
秋山信友
は、信濃伊奈(いな)から
天竜川
を南下して
見付
(
磐田市
)に陣し、家康の兵を破り
引馬
方面に出動した。
見付
は東海道の
宿駅
であり、
引馬
と
懸川
を遮断する
中間
地であるから、これは駿遠分割の契約にもそむき、家康を危険にさらすことになる。家康の抗議をうけた信玄は、十二年正月八日に信友らを撤収させると約東した。しかし信玄は、機会があれば遠江全土を占領しようとの計画をもっていたのだろう。