目次
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中世編
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第四章 室町時代
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第四節 社会と経済
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社会のすすみ
農村の支配階級
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室町時代の農村では、
地侍
(じざむらい)とか
殿原
(とのばら)(名前に殿の敬称をつけてよぶ上層民、
地侍
や
殿原
の有力者が
国人
)という伝統的な有力な
名主
(地主、総称して
沙汰人
とか地下
年寄
という)たちと、生産にはげむ
乙名
(おとな)・長百姓(おさびゃくしょう)(戦国時代になると
百姓前
といわれる)といわれる
名主
たちとが支配階級であった。
【
地侍
乙名
長百姓】小百姓とか地下百姓というのは新興の
名主
で、しだいに「おとな」とよばれるようになる。おとな以外の村民は、年齢によって中老・若衆にわかれた。
小農経営はようやく安定してきた。小農とは直系家族の労働力を中心とした小規模な独立経営農のことである。しかしこのころになっても小農(小百姓)の多くは、まだ有力な
名主
と無関係では再生産できえないのがふつうである。
農家の生活 光明真言絵詞 部分(滋賀 明王院蔵)