目次
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中世編
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第三章 南北朝時代
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第三節 南朝と北朝
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今川氏のおこり
今川心省 今川貞世父の代官として山陰に出陣
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その年の八月には父心省が
守護
となった(『富田仙助氏所蔵文書』)。心省は範氏よりも貞世を愛していたから、範氏に護るのが本意でなかったのであろう(『
難太平記
』)。貞治元年(一三六二)に、山陰地方に蜂起した直冬党の山名時氏軍を討伐するため、幕府は「
遠江守護
今川伊予守」を若狭(福井県)・参河の
守護
とともに丹波(京都府)に派遣した(『
太平記
』三十八)。佐藤進一氏は「貞世は父の
代官
として遠江軍を指揮したのだろう」とする。心省の在職徴証は、貞治四年(一三六五)二月中断する。