目次
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中世編
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第二章 鎌倉時代
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第四節 元寇
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幕府政治の危機
封建社会を動かす元寇
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文永四年(一二六七)に元寇の問題が起こって以来、この大事件は、わが国の政治・社会・思想・文化の各方面に深刻な影響を与え、封建社会を動かす「てこ」の役割を果たした。鎌倉幕府の滅びた遠因は、元寇にもとめられる。ここでは元寇を契機とした政治上の課題を考えよう。
幕府は、文永三年(一二六六)将軍
宗尊親王
が謀反をくわだてたとて、京都に送還する。そして惟康王にかわる。さらに文永九年(一二七二)
北条氏
の一族が、家督と執権の地位をめぐってひそかに争い、また
北条氏
をたおそうとする動きが武士のあいだにあった。