解題・説明
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この会社の前身は明治33年(1900)に浜松町元城に設立された木綿中形株式会社である。中形とは中型の型紙を使って染めることをいうが、これまでその多くが手作業で行われていた。浜松の池谷七蔵はこれを機械により大規模に染色しようと片面形糊付機を発明、同じ浜松の宮本甚七の資金提供によって会社が設立された。同年9月には用排水に便利な浜名郡曳馬村船越一色に新会社を設立、同時に池谷は両面形糊付機などの革新的な機器を発明、これによって精巧で美しいデザインの布地が大量に染色(生産)されるようになり、会社の三大会社(帝国製帽、日本楽器製造、日本形染)の一つとなるが、これら三つの会社名の上の二つの文字は、浜松・遠州・静岡ではなく、帝国、日本であり、我が国を代表する企業にしたいという浜松人の意欲が感じられる。
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